てんかんの薬物療法
はじめに
てんかんの治療は薬物療法から始まります。
てんかんの70〜80%は薬物療法で発作が抑制可能と報告されています。しかし、実際に外来で患者さんを拝見すると、適切な薬物療法を受けてこられなかった方が多いのにびっくりします。
これは、てんかんの専門医にかかっていない場合がほとんどです。
抗てんかん薬は、風邪薬や鎮痛薬のように、一日3錠分3などのごとく、杓子定規で投与しても効果がありません。また、抗てんかん薬が血中濃度の基準値の範囲にあるから必ず有効とも限りません。
抗てんかん薬にはいろいろな種類があり、発作型に合わせて適切な薬剤を選択する必要があります。発作型に合っていても、患者さんによっては強い副作用が出て投与できないこともあります。
単独の抗てんかん薬で効果が乏しい場合は、複数の薬剤を組み合わせることもあります。すると、薬剤の相互作用により、これまで投与していた薬の血中濃度が変化することはしばしば見られる現象です。
このように、抗てんかん薬の投与には、非常に多くのファクターを考慮する必要があります。
抗てんかん薬の使用に習熟するには、きわめて長年の経験と勉強が必要です。また、患者さんの側から考えると、てんかんは最も自己管理が要求される疾患の一つとも言えます。
抗てんかん薬についても、患者さん自身が基本的な知識をしっかり身につけておくことが、適切な治療を受けるための必須条件です。
以下に、薬物療法を受ける患者さんが知っておくべき知識をまとめてみましたので、是非参考にして下さい。
I. 発作型に合った薬物
II. 血中濃度の意味づけ
III. 発作の誘発因子
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