発作型に合った薬物療法


発作型は大きく分けて,部分発作と全般発作に分けられます.
これらは,更に細分されて,


部分発作

などに分類されます.


全般発作


  • 欠神発作

  • ミオクロニー発作

  • 間代性全身けいれん

  • 強直性全身けいれん

  • 強直間代性全身けいれん

  • などに分類されます.

    薬剤の選択の場合は,まず部分発作か全身発作により決定します.
    部分発作の場合の第一選択薬はカルバマゼピン(商品名テグレトール)です.
    全般発作の場合はパルプロ酸(デパケン,セレニカ)が第一選択薬となります.
    特に,発作頻度の高い発作型について考えてみましょう.

    複雑部分発作
    複雑部分発作の多くは,側頭葉てんかんで見られます.
    成人の側頭葉てんかんでは,まずカルバマゼピン(テグレトール)が試みられます.
    カルバマゼピン以外にも,フェニトイン(アレビアチン,ヒダントール),ゾニサミド(エクセグラン)なども,
    主体となる薬剤として選択されることがあります.
    第一選択薬の血中濃度を十分に上げても発作がコントロールされない場合は,
    併用薬 (add-on drugs) として,クロバザム(マイスタン),ガバペンチン(ガバペン)、トピラマート(トピナ),ラモトリジン(ラミクタール),
    レベチラセタム(イーケプラ)---2010年9月より使用可能となりました---,などが使用されます.
    これらの併用薬は,比較的最近認可された抗てんかん薬です.
    従来からある併用薬とし,クロナゼパム(リボトリール,ランドセン),プリミドン(プリミドン),
    アセタゾラミド(ダイアモックス)なども試みられます. ダイアモックスは,女性で生理に関連して発作が起きる場合などに特に有効です.
    また,小児では,全般発作の第一選択薬であるバルプロ酸(デパケン,セレニカ)が,複雑部分発作にも有効です.
    しかし,成人の複雑部分発作に対しては,バルプロ酸の効果は余り期待できません.
    全身けいれんを同時に持っている場合は,バルプロ酸も必要となります.


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